
火垂るの墓はスタジオジブリ、高畑勲監督の作品です。
『平成狸合戦ぽんぽこ』や『かぐや姫の物語』など、名作を沢山残していらっしゃる高畑勲監督ですが、2018年4月に肺がんでお亡くなりになってしまいました。
そして、高畑勲監督のお亡くなりになった2018年から7年ぶりに、火垂るの墓が放送されることが決定いたしました!
火垂るの墓が地上波の金曜ロードショーで放送
1945年の第二次世界大戦終結から今年で戦後80年を迎えた節目ということで、
2025年8月15日にスタジオジブリ『火垂るの墓』が日本テレビ金曜ロードショーで放送されることが決定しました!
夏休みのさなかにはありますが、是非家族でご覧いただきたい作品となります。
金曜ロードショーなので夜21時に放送ですので、終わる23時頃ではお子さんも寝てしまうかと思いますので、是非録画をして昼間に観て頂いて、夏休みの自由研究として感想や戦争についてもまとめてもらえば一石二鳥になりますよ!!!

ロシアやウクライナの戦争、イスラエルやパレスチナの紛争もありますが、今の子供達は特に、『戦争』とはどういうものなのか?というのがあまり分かっていないのではないかなぁと思います。
実際に戦争を体験された世代も段々と少なくなってきていますしね。
ここ日本で、たったの80年前にこれだけ残酷な戦争があり、沢山の人たちが亡くなったというのをリアルに感じ取るためには、やはり『火垂るの墓』以外には無いのではないかなと思っています。
筆者たちが子供の頃は、夏休みの8月15日前後にはよく戦争を題材にした映画やドラマが放送されていました。
『うしろの正面だあれ』という映画を知っている人いませんか?
子供の頃に見た戦争映画の中で一番記憶に残っている映画です。
ここ数年はテレビで何もやらないのだな…と思っていましたが、ぜひ『うしろの正面だあれ』を放送して欲しいなと個人的に思います。
戦争映画ではありますが、家族の「愛」をテーマにしているのかなと思います。
特に印象に残っているのは、主人公のかよ子が敵の銃撃機から逃げていて、かよ子は田んぼの方へ転がって撃たれず済んだのですが、自転車で逃げていた人は撃たれてしまい、倒れた自転車とカラカラカラという車輪の回る音、そして血が広がっていく描写が子供心には印象的でした。

『この世界の片隅に』、が放送されていたのも記憶に新しいですが、火垂るの墓は戦争の悲惨さなどに焦点をあてていて、この世界の片隅にはこの時代の日々の生活に焦点が当たっているように思うため、物語のテーマが異なりますね。
最後の最後に「え!?」とはなりますが、これはまたネタバレにもなりますので別の話ということで。。

火垂るの墓のあらすじ
火垂るの墓は神戸大空襲の実体験をもとにした野坂昭如さん原作の物語です。
主人公は清太(14歳)と彼の妹である節子(4歳)。
父親は海軍大尉で出征中のためおらず、心臓病で体の悪い母が空襲で火傷を負い、亡くなるところから物語は始まります。
2人きりとなってしまった清太と節子は少ない荷物を持ち、親戚の家に身を寄せますが、清太も学校へ行かず、食糧に余裕も無いことから段々と叔母から冷たく扱われるようになります。
我慢の限界を迎えた清太は節子を連れて、親戚の家から出ていくことにしました。
しかし普通に暮らすことすら難しい時代に、子供二人の暮らしが楽なはずありません。
2人は空となった防空壕で暮らし始めます。
清太はタニシやカエルを捕まえて食べたり、時には盗みをしたりしながらも、必死に食べるものを探しますが、
栄養はもちろん足らず、身体の小さい節子はついに倒れ、栄養失調となってしまいます。
その後、清太は日本が戦争に負け、父親が帰ってこないことを知りました。
節子はそのまま快復することなく亡くなってしまいます。
清太は節子を火葬し、ドロップの缶に遺骨を入れます。
そして清太もまた瘦せ細り、駅のホームで力無くそのまま亡くなってしまい、物語は終わります。
火垂るの墓を観た海外の反応
火垂るの墓はNetflixで190か国以上に配信され、海外でも多くの人たちに高く評価されています。
- 映画は1時間29分だけど、効果は一生続く
- 泣き過ぎて目が腫れた
- 戦争の恐ろしさとその影響を描く、心を動かす映画
- この映画を見ると、戦争がいかに無意味で残酷かがよく分かる
- 素晴らしい映画だけどトラウマになりそう
- 立ち直るのが難しく忘れることはできない
- 戦争映画の中でもこれほど心に響く作品は無い

など、海外の人たちにも戦争映画として心に響いているようです。
日本とアメリカどちらかを悪く描写することもなく、ただただ戦争の被害を受ける小さな兄妹の生活をリアルに(実体験を元にしていますからね)映し、そして亡くなっていく残酷さに涙する人が多くいました。
やはり現在のイスラエルやガザと重ねて観る人や、泣ける映画だと知りながらも観てみたらやばい…といった声も多いようです。
今もどこかに清太と節子のように戦争に巻き込まれ、飢えに苦しんでいる子供たちは沢山いることと思います。
さいごに

火垂るの墓で、筆者が特に印象的だったのは、栄養失調となった節子がとっくに空となっているはずのドロップを口に入れて舐めているのですが、それはドロップではなくおはじきだった、、というシーンです。
また、清太が節子にかき氷屋さんの落としていった氷を一口拾い、栄養失調となっている節子の口に入れてあげるシーンも印象的でした。おそらくわりと裕福なご家庭が並んでいる住宅地の一角だと思うのですが、誰か少しでも食糧を分けてあげられないのかな、、と思ってしまいます。
きっとあの時代には、親を亡くして子供だけで生きているなんて、別に珍しくもなんとも無かったことでしょう。
あの時代では、清太も14歳で、何なら大人くらいに扱われてしまいそうですが、まだまだ子供です。
節子は、生きていたら今年80歳となっていたようです。
今、筆者の子供は4歳、節子と同じ年齢です。
今思い返してみると、本当に節子のあの仕草も話すことも、リアルに4才児だなと感じます。
多分、今年の火垂るの墓を見る目は、昔観ていた頃とは違い、「親目線」になってしまうので号泣は避けて通れません。。
でも、戦後80年を迎える今こそ、火垂るの墓を観なければならないと思いますし、
冒頭にも書きましたが、子供たちの夏休みの宿題としても最適では無いかと思います。
戦争を知らない世代の多くなった日本人たちも、どうかもう一度火垂るの墓を観て戦争と平和について考えて欲しいと思います。